はどら秘密研究所
怪しいハードウェアいらいまくり
| HOME | ABOUT | E-mail | 
アポロにLEDは使われていたか?
ことの起こりは 映画の「Apollo 13」を見た時です。この映画の中で計器パネル上の7セグメントの数字表示が何度か映るのですが、これがどう見ても現代の緑色LEDの7セグメント表示が使われていて、なんか違和感を感じました。

〜〜アポロ13号が飛んだ1970年に7セグメントのLEDがあっただろうか? それも緑色の。〜〜

少なくとも、私がパーツ屋さんで赤のLEDを初めて見たのが1972年で、1973年か1974年にならないと緑は出てこなかった記憶があります。それも7セグメントの数字表示ではなく単体のランプです。アポロ計画は1972年12月の17号で打ち止めになっていますから、使うかどうかギリギリの時期かもしれませんが、信頼性が何よりも大切な航空宇宙用途にまだまだ実績が少ないLEDをいきなり導入したとは考えにくいです。でも、LEDじゃなかったとすると一体何が使われていたのでしょうか? 気になります。光りモノ愛好家としては放っておけない状況です。調べなくてはなりますまい。調査だ調査だ!

問題のデジタルで数字を表示するデバイスはDSKY(Display&Keyboard)と呼ばれていて、見た目は数字を表示するディスプレイとテンキーが一緒になった物です。これはガイダンスコンピュータを使う時の端末インターフェースで、写真と簡単な説明がスミソニアン博物館のページにありますが、写真を見てもディスプレイ部分ははめ込み合成っぽくて実物が何だったのか判断できませんし、説明文の中にも使われていたデバイスの種類にふれた部分はありません。

こうなったらもうひたすら検索です。手がかりになる写真やドキュメントをあさりまくりました。

まずは写真ですが、DSKY自身が写っていなかったり、写っていても表示が出ていなかったりで、あまり参考になりませんでした。以下、写真ですが表示は出ていません。
司令船のDSKY
中央右寄り
月着陸船のDSKY
中央
月着陸船のDSKY
右下

しかし、ドキュメントはありました。それらの資料によると、開発当初は数字表示にニキシー管が使われていたが、最終的にはEL(ElectroLuminescent)セグメント表示になったとのことです。ELというと現在は液晶のバックライトに使われていたりする広い面積で光るものというイメージがありますが、そんな物で7セグメントの数字表示をやっていたのですね。振動や衝撃を考えるとガラスで作られたニキシー管よりも固体化されたELの方が適していたということなんでしょう。

実際に動いている動画が下のリンクにありますが、発色は薄緑で昔懐かしのグリーンディスプレイみたいな色です。

というわけで、アポロ宇宙船にLEDは使われていなかったようです。数字表示にはELが使われていたらしいということで、一応の決着がつきました。あーすっきりした。


参考ページ

概略説明

スミソニアン航空宇宙博物館
Apollo Display Keyboard


開発時の資料

マサチューセッツ工科大学 HISTORY OF RECENT SCIENCE & TECHNOLOGY
Apollo Guidance Computer / Document Library
Keyboard and Display Program and Operation
Reliability History of the Apollo Guidance Computer


実機稼働時の動画

NASA Human Space Flight Gallary
A demonstration of the workings of the Apollo 11 Command Module computer.


▲戻る
Base template by WEB MAGIC.   Copyright(c)2005 はどら秘密研究所 All rights reserved.